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Japanese(JP)English (United Kingdom)

慶應義塾は、中津藩士の福澤諭吉が藩命により江戸築地鉄砲洲(現在の東京都中央区明石町)の中津藩中屋敷内に1858年(安政5年)に開校した蘭学塾に由来する日本で最も古い起源を持つ大学です。創立以来、福澤諭吉の「全社会の先導者たらんことを欲するものなり」という気概のもと、あらゆる分野にわたって社会に貢献してまいりました。

環境分野に関しても、建学者福沢諭吉が強い関心を持ちました。福沢諭吉は1894年に生まれ故郷の中津を訪れたとき、「青の洞門」で知られる名勝・競秀峰(きょうしゅうほう)付近の土地が売りに出されていることを聞き、「心無い者の手に渡ると、景観を損ねてしまう」と、一帯の土地を買い取ったことがあります。これは民間資金で自然景観を守る「ナショナルトラスト」運動の走りと言われています。

また、京都には有名な琵琶湖疏水がありますが、いまになって貴重な水利・観光資源として評価されています。実はこの琵琶湖疏水に対して、1885年に着工した当時、福沢諭吉は景観保全という側面から批判的だったことが知られています。実は、福沢諭吉はこの疏水事業の意義自体を問題にしたのではなく,京都などの古都開発において、自然や文化景観の保全を優先すべきと主張したかったようです。

経済開発の中で自然、景観、伝統文化を大切すべき福沢諭吉の考え方は日本の近代化の中で脈々と伝えられ、成功もあり、失敗もありました。これらの経験は今日、経済発展を急ぐアジアの発展途上国にとって参考になるものが多く、国際的環境イノベータ育成プログラムにとって、貴重な教育と研究の資源になります。