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Japanese(JP)English (United Kingdom)

教員インタビュー:環境情報学部教授 厳網林

専門分野:GIS(地理情報科学)、都市・地域環境、持続可能科学
出身国:中華人民共和国


自然環境保全と社会の持続可能な発展を両立させたい

私の研究は「持続可能な発展」に関するものです。自然環境をどう回復させるか、また、これ以上悪化させずに住民が豊かに暮らせる方策の提案が主な課題です。研究においては、分析的な手法を使った環境問題の調査を行い、問題の原因究明をして、政策的・ビジネス的解決方法の構想などを考案します。また、地理情報を使い地域・社会の問題の原因と人間との関わりを解明し、解決手段の提案、政策支援を行います。気候変動でいえば、温室効果ガスの影響は従来のやり方だけではもはや解決は難しく、まったく新しい方法で解決するのがイノベーションだと言えるでしょう。「GDP指向の豊かさの追求」はもはや20世紀の発想であり、21世紀の今日においては、技術、制度・政策、人々の考え方、あるいは社会そのものを「脱GDP指向」で根本から変えなければなりません。

具体的な研究内容として現在は、「中国の内モンゴルの気候変動と砂漠化防止」をテーマにしています。砂漠化の主な原因は、家畜の過放牧です。それが草原の減少を招いています。家畜数の制限、他の収入源の確保、家畜の飼い方を変える、人々の暮らし方を変える、などのアプローチがありますが、キーワードは「環境容量」です。これを超える人間の欲望をどう処理するかが大きな問題なのです。これらの課題に対し、4年以内に解決策を提案することを目標にしています。

太陽光発電で分散型エネルギー社会の実現を目指す

もう一つの研究プロジェクトは、「再生可能エネルギーによる分散型エネルギー社会の早期の構築」です。使用する再生可能エネルギーの候補としては、多くの人が参加できる太陽光発電が一番だと考えています。太陽光発電は高価とされていますが、一方で、あまり必要がないのに車を持つ人は多くいます。必要なものと不要なもののどちらを選択するのか、こうしたことを社会に訴える必要があります。これが「脱GDP指向の考え方、価値観を持つ」ということです。

現在は、太陽光発電をどうすれば多くの人が導入できるのか、普及の障害は何か、導入を促すためにできることは何かなど、政策シミュレーションを計画しています。太陽光で発電した電力を買い取る「固定価格買取制度」も普及の追い風になるでしょう。

そしてこのプロジェクトは、震災復興に関連した別プロジェクトとも連動しています。それは被災地復興に伴い「再生可能エネルギーによる環境に優しく暮らしやすい街づくりを提案する」というもので、他の先生方とも協力して気仙沼で活動を行っています。

本大学院で学んでいただくにあたり重要なのはやはり、みなさんの「やる気」です。従来通りの考え方では「環境容量」はすぐに超える危険があり、イノベーションは急務だからです。分析的な視点とスキル、工学・理学の基礎知識があり、データ解析能力・定量解析ができれば最適です。将来的に活躍できる場はたくさんあります。論理的思考ができるなら文系出身者でも歓迎いたします。