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教員インタビュー:環境情報学部教授 小林光

長専門分野::環境政策論、エコまちづくり、環境経済論

環境に良い事をして経済が成り立つ社会への転換

環境経済政策や環境街づくりなどが私の専門です。環境経済政策とは、環境税、CO2排出量取引、エコポイントなど環境に関する経済政策の提案を目的にしています。具体的な提案内容をわかりやすくいえば、たとえば「環境に良いことをすれば必然的にコストパフォーマンスも向上するような社会の仕組みづくり」を考えることなどです。環境街づくりでは、それを具体的に街づくりに活かすことを考えます。たとえば排熱利用した環境負荷の少ない街を創る、緑地を増やすための最善策、どのようにしたら太陽光発電のパネルを増やせるかなど、こうしたことを具体的に考え提言します。東日本大震災の原発事故で、安いと思っていた発電方法が実はひとたび事故に合えば環境に悪影響を与え、さらに除染処理などの問題によって本当はコストの高い発電システムであることがわかりました。原発に拠らない電力はこうしたデメリットが無い分、値段が違うのもしかたがないでしょう。

このように環境に新しい価値を持たせることがイノベーションそのものでしょう。Creating social value(社会的価値創造)という言葉がありますが、社会的な利益と企業の利益を一致させることを考える企業も出てきています。つまり、発想を変えようということです。

水俣市の再生プロジェクトから学べること

EIプロジェクトで私が関わっているのは、水俣市の再生です。水俣ではひどい公害が起きて、町自体が廃れ人口も減りましたが、今では環境に対して非常に意識の高い町になっています。これを発展の足掛かりにしようと、市に復興の機運が盛り上がってきました。太陽光エネルギーだけで稼働する工業団地を造ろうとか、環境大学院を作って再生していく過程を世界中の学生と一緒に研究したり、水俣の教訓を伝えたり教育したりと、色々なプロジェクトが立ちあがっており私はそのアドバイザーをしています。水俣は非常に典型的な公害事象ですから、そこから多くの国際的な教訓を引き出せます。

私の研究の究極的な目標は、「環境を対象にしたビジネスが成立する経済システムづくり」です。今年リオで開催される地球サミットでもGreen Growth(グリーン成長)がテーマとなるので、環境ビジネスに弾みがつけばいいと思っています。これにより、金融工学で収益を上げる経済から 実儒で収益を上げる経済への転換が可能となるでしょう。

SFCは研究者を育てるというよりも、自ら問題解決し実行する人材を育成することを目的としています。私の研究室では、「好奇心が旺盛な人」を歓迎します。環境は幅広い学問分野ですから何にでも関心が持てる学生が最適でしょう。そういう人は、世の中に出ても役に立つと思います。色々なスキルは必要ですが、何か一つ得意分野があれば大丈夫。チームのみんなで協力し合えばいいのですから。