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教員インタビュー:環境情報学部教授 ティースマイヤ・リン教授

専門:アジア農村開発、開発論(東南アジア)、ジェンダー、社会理論

出身国:アメリカ

日本をはじめ先進諸国に強く影響を与える東南アジアの農村開発

私は主に東南アジアの農村開発についての研究を行っており、タイ、ミャンマー、中国、ラオスではコンサルティング活動もしています。農村開発で大事なことは、自然環境だけでなく、農村を取り巻く様々な環境を考えていくことです。いまや地球はグローバル化し、発展途上国が気候変動などの影響を受ければ、それが先進諸国の食糧事情にも波及していきます。

私が行っている研究調査では、農村の各世帯レベルの実態調査をします。たとえば、気候変動による各種の損失、収入や雇用機会といった経済的なデータや人口流動のデータも収集します。イノベーションで重要なことのひとつは、気候変動に関する新たな知識の入手ではないかと思います。私たちは政府発表のデータや研究者の見識を、マスメディアなどを通して知ることはありますが、一方で、実際に被害を受けている農村の人々の実態、声などはあまり知ることができません。そこでこうした実地調査を行うことで、被害の実態や詳細を知ることができます。これらの知識を基に、産・官・学が共同で、環境に配慮した持続可能な農村開発政策を作り上げることが、本当のイノベーションになるでしょう。

EIの専門家の叡智を結集させて、東南アジアの農村を救いたい

ミャンマーにある「環境経済研究所」は、生物多様性や経済開発における環境保全などをテーマにした、社会人向けの農村研修プログラムを提供しようと考えており、私もそのプログラムにおけるカリキュラム作成を担当しています。

気候変動の影響によって東南アジアが抱える問題のひとつには、不法移民問題があります。これまで東南アジアで多く見られたのは、合法的な移住労働者でした。しかし気候変動により、自分の村で生活できなくなった農業従事者などが家族ごと、正規ルートを通らずに国境を越えて仕事と生活の場所を求めるケースが増えています。

東南アジアの気候変動は深刻で、メコン川では大洪水や逆にひどい大干ばつが続き、農地が農地ではなくなっています。人々は何週間も歩き続け、国境を越えて新たな働き口を探しています。しかしこうした不法移民が集まるミャンマーも北部は緑が豊かでも、中部あたりはこれまでなかった砂漠が多く見られるようになりました。

環境イノベータプログラムに集まるいろいろな分野の専門家の知恵もお借りして、これらの問題に対処したいと考えております。たとえば、小さな規模の共同体を作りその中での解決法を模索したり、日本の会社、技術者と現地とを繋ぐ手伝いも促進させたいと思います。これは地方自治体などとの関係性で行う政策づくりですので、農村開発政策に関心のある方にはぜひ学びに来て欲しいですね。すでに実社会経験のある社会人留学生も歓迎です。また、「大学院での勉強」は、義務でも押しつけでもなく、自らが行う能動的なものです。このことの意味を理解できる学生さんに集まって欲しいです。